利権政府 politics of greed 2003 8 2
バブル崩壊後、景気対策と称して、いったい、いくら財政資金をつぎ込んできたか。
学者のよっては、この10年間で、総計すると100兆円を超えているとも言います。
国民は、不思議に思うでしょう。
そんなに巨額の税金をつぎ込んだのに、なぜ、景気が悪いのか。
これには、いろいろな解説がありますが、
複雑なことを言っても、わかりにくいかと思います。
そこで、わかりやすく説明します。
経済は、需要と供給で成り立っています。
たとえば、最近、人気のあるフリーマーケットを例に説明しましょう。
フリーマーケットで人気がある商品は、何でしょうか。
ここでは、子供服とします。
子供はすぐ成長するので、子供服を、なるべくなら、安く買いたい。
そこで、フリーマーケットで、安く買いたい。
これが、「需要」です。
さて、友人に聞いた結果、フリーマーケットでは、子供服がよく売れる。
そこで、自分の家の子供服だけでなく、
売れたら売上金を分配すると口説いて、近所の家の子供服まで集めて、
フリーマーケットに子供服を出店した。
これが、「供給」です。
さて、フリーマーケットという市場で、
「需要」と「供給」は、どう審判されたか。
結果は、子供服がよく売れるだろうと考えた出店者が多くて、
子供服が売れ残ってしまった。
これが「供給の過剰」です。
フリーマーケットの主催者は、これを見て、どうするか。
子供服の値段を下げなさいとアドバイスするか、
子供服の出店者を削減するか。
これが常識的な方法です。
ところが、そうしなかった。
実際は、フリーマーケットの収益金を、子供服の出店者に損失補填した。
これで、子供服の出店者は、損をしないで済みましたが、
しかし、子供服の出店者は、経営努力をしなくなりました。
なぜ、フリーマーケットの主催者は、子供服の出店者に損失補填したか。
それは、子供服の出店者たちが、フリーマーケットの主催者の支援者だったからです。
さて、経済は、需要と供給で成り立っています。
今の日本の不況は、供給過剰なのです。
供給が多すぎて、需要が少ない状態です。
そこで、この需要の不足を補うべく、
政府は、景気対策と称して、
学者のよっては、100兆円を超えているとも言う景気対策をしてきたのです。
しかし、これほどの巨額の景気対策をする前に、
先ほどのフリーマーケットの例でわかるように、
供給が多すぎるのならば、価格を下げるか、
供給者を減らすべきだったのです。
まず、供給過剰となっている中味を精査すべきだったのです。
今の日本で言えば、供給過剰とは、建設業者です。
電話帳を見てください。
星の数ほどあります。
日本が戦後復興の時は、高度成長の時は、
星の数ほど、建設業者が必要だったのですが、
戦後復興が終わり、低成長時代になった今、
星の数ほど、建設業者は必要ないのです。
戦後復興が終わり、低成長時代になった今、
建設業者に代わって、新しい産業を興していくべきだったのです。
建設業者から新産業への「産業構造の転換」です。
ところが、政治家は経済には無知で、先が見えませんから、
相変わらず、発展途上国のような経済システムに固執したわけです。
これで、学者のよっては、100兆円を超えているとも言う景気対策をしても、
何の効果もなかった原因がわかったでしょうか。
選挙の争点が、山ほど、たくさんあり、複雑になった今、
普通の人は、何を基準に、投票行動すればよいか、
わからなくなってきたかもしれません。
政治家も、都合のよいことしか演説しないから、なおさらでしょう。
しかし、今後の選挙は、「利権集団」対「改革集団」という構造になるのです。
いくら政治家が、きれい事を言っても、
政治家は、この2つの分類に分けることができるのです。
こういう視点で、選挙の争点を見れば、すっきりと見えます。
利権政治家か、改革政治家か、すぐわかるはずです。